ブラインドランナー谷口真大さんインタビュー

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ブラインドランナー谷口真大さん 取材・執筆


誰かのために走ることがいま、新しい価値を生む(前編) | PEOPLE | NBRC(New Balance Run Club) ニューバランスランクラブ

幼少のころに失明。高校で陸上と出会い、伴走者とともに走り続けているブラインドランナー・谷口真大。JBMA(日本盲人マラソン協会)の強化指定選手として、2020年の東京パラリンピック出場を目指している。今年12月の湘南国際マラソン大会では、サブ3のペーサーにも内定。伴走紐を手に、パートナーとリズムを合わせながら、進む。いつも“誰かとともに”走る彼が、その足どりのなかでとらえた自分の進化とは。――谷口さんが“走ること”に出会ったきっかけを教えてください。親元を離れて、筑波大学附属の盲学校に通いはじめた高校1年のとき。寮で同室だった先輩に連れられて、陸上部に行ってみたのがきっかけです。その方は、現在もNTT西日本の実業団で活躍されている堀越信司さん。2学年上の先輩だったので「ついてこい」と言われたら断ることもできず……(笑)、はじめは体育のジャージで走りに行きました。でも、本格的に練習するようになったら、どんどん記録が伸びていくのが楽しかったんですよね。当時は400mや1500mを走っていたんですが、一気に30秒もタイムが縮んだりしていたんです。卒業後は、奈良の大学に進学。高校では先輩や先生に伴走してもらっていたけれど、大学でも陸上を続けるならば、初めての土地で新しい伴走者を探さないといけません。だから、ブラインドランナーと伴走者の練習会などに参加して、積極的に人とのつながりを作っていきました。さまざまな出会いのおかげで、人と走ることがこれまで以上に楽しいと思うようになり……さらに陸上が好きになっていったんです。――1本の伴走紐を手にして、伴走者とともに走る、というのはどんな感覚なんでしょうか。簡単に言えば、脚ではなく手でつながった“二人三脚”。でも、脚と違って少し動きがズレても転ばないし、お互いのリズムが合ってくれば、ほぼ違和感なく走れます。陸上部の練習では集団走が多かったから、人と息を合わせるのはある程度慣れていて……リズムが整うと、みんなの足音がぴたりとそろってくるんですよ。知らず知らずのうちに、お互いがお互いのリズムを意識して走っているんです。伴走も、基本は同じかもしれません。――ブラインドランナーと伴走者は、サポートの役割を越えて、確かな心のつながりがあるように感じられます。伴走者とは、二人だけど一人だと思っています。伴走紐でつながっていると、自分の気持ちも伝わ

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Sugawara Sakura

フリーランスライター・エディター 菅原さくらのWebサイトです。

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